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僕の隣に戻った啓介は、どうしたものかといった様子で小さく唸る。
「にしても、恨みから処刑アプリを使ったって言ってたよな。でも、もしここで今みたいに、誰かの恨みが分かったとしてもだ……その人が使ったかどうかは別問題とも言えるからな。誰だって恨みの一つや二つあるだろうし。
ただ、ここにいる全員に恨みがあるとすれば、それは何か共通点みたいなもので、探れるんじゃないか?」
荏田は、とうとう頭がパンクしたらしい。ぐてっと机に伏せ始めた。
「めんっどくさいなー。ってか共通ってったってなぁ……ウチら皆クラス変わらないで、そのままなことくらいじゃない? あとは部活やってないのが多いとかくらい?」
「ああ、そうだな……なかなか共通点って言っても、すぐには見つけにくいか」
「んでしょー? 強く恨み持ちそうなやつが、そういう危険なのやらかすわけっしょ? それだったらやっぱ町田とか永田とかさー、あと梶ヶ谷あたり何考えてるか分かんないし怪しくない? だから、とりあえずは町田決定でいいっしょ」
またこいつは性懲りも無く……見た目だけで決めつけやがって。お前だって容疑者に変わりはないんだぞ! 僕は口元をギュッと力ませ、そう言ったことにしておいた。
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