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「べ、別にそんな……睨んでなんてないよ」
「んあ? じゃあなんで、いつもあんなに見てんだよ?」
「そ、それは……」
何だ……? なんでこんなに答えづらそうにしているんだ、こいつは。まさか本当に僕に恨みがあるのか? 仮に恨みがあると言っても処刑アプリを使ったかどうかは分からないが……ただ、今は情報が欲しいところだ。そこで、梶ヶ谷に抱えていた疑義を問うてみることに。
「ねぇ、梶ヶ谷はなんでそんな見てたの? 結構な確率で僕と目が合うから、ずっと気にはなってたんだけど……何か僕、恨まれることしたの?」
「っえ。いや、その……違うよ。べ、別に僕は永田君を恨んでなんてない。本当だよ」
すると、しびれを切らした青山が机をバンッ! と叩く。
「だから何でおめぇが、いつもガン飛ばしてんのか聞いてんだよっ! 理由を言えって、言ってんのが分かんねえのか。てめえはよ!」
僕は思った。なんでこいつは、すぐに音を立てるんだろうかと。別にここには熊いないぞ。あ、いやお前が熊だな。クマ科なんだこいつは。蜂蜜の海で窒息しろ。僕は心の目で青山を睨んでやった。
それにしても、梶ヶ谷は明らかに焦りを見せているようだ。何を隠しているんだろうか?
「っい……いやだから。そ、そういうつもりじゃないんだよ。べ、別に何も意味は……ないからさ」
「おい、梶ヶ谷。てめえ何か隠してんだろ……? 何でそんなキョドってんだよ、さっきから」
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