【罪擦り編】

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 そう言えば、神保さんは中学時代に現代アート作品が評価されたってこと聞いたっけ。高校に入ってからは演劇部の功績しか聞かないけど、まだ作品を作っているのだろうか? 才ある人……ますます僕には手の届かぬ天上の華に思えてくる。どんな人が好きなんだろう……いや、今はそう言うこと考えている場合ではないか。僕は、ふわっと浮遊した意識を現実へ切り替えた。  町田は息を荒げて、再び不気味に笑う。 「っとに……ムカつくんだよみんな……あとは大橋な。ほんとにお前もウザい、ウザすぎ。正義の味方みたいに気取りやがって……本当にムカつく。済ました顔してリーダーぶってんじゃねえよっ!! お前もだよ渋谷ーッ!! お前らさ……なに? なに偽善者ぶってんだよクソ野郎!! もういい加減死ねよ、目障りなんだよ。気にかけてあげてるオーラがウザい! 自分より下に見やがって。空気読めないって、裏でバカにしてたんだろどうせっ! 空気読んで仲良しごっこしてるお前ら、リアルにキモいんだけど!!  青山もだよ……人が怖くてよく吠える犬だよな。いつも、調子乗った顔見るだけで腹立たしかったし。人を揶揄って楽しんで、自分が裏で揶揄われてるのに気づいてないとか、笑えるし! なんなんだよその男は強さみたいな妄想は……だったら無人島にでも行って一人で生活してこいよ!!  最後に荏田な……お前くそすぎるわ。あんたが一番クソだわ。あたしのこと遊んでたんだな。だから、普通の付き合いしてる子とかも、みんな変な目で見てたんだって今……分かったよ、ありがとうクソビッチ。  あたし知ってんだよ? 青山も含めて男子三人とヤッたんだろ。このヤリマン野郎がよーッ!! お前を先に呪い殺してやるよッアハハハハハ!」
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