【罪擦り編】

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 バンッ! と勢いよく前方の黒板に、宙を浮いた状態で叩きつけられたかと思うと、腕を広げ磔状態に……まるで十字架だ。ポルターガイスト現象なのかこれは……僕はただ恐恐として、その異様な光景を凝視した。 「やだぁぁ!! いやあああぁぁっ……!!」  何が起きているのかと思えば、胸元からは滲む血が……みるみるうちにシャツが赤く染まりはじめ、脚を伝って流れていく。足元には血だまりが広がりつつあった。  すると青山が「……おいマジか、啓介スマホ見ろ!」と声を上げた。 「っ何だこれ……まさか、俺たちが処刑しろってことか!?」  僕は慌ててスマホを見やる。さっきまでの選択画面はなかった。代わりに、町田のキャラだけが単体で大きく映り、同じ磔状態になっている。胸にはチェーンソーが浅い部分に当たっていた。まるで殺すのをじらしているように。キャラの上には『さあ、タップして殺してあげよう』という文字。傍には、七つ横並びで灯りの消えたランプ。これは嫌な予感がする……。 「痛っぁああああ!! きゃああああぁぁっっ……!!」
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