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後に、秋夫は言った。
僕のリアクションがあまりに情けなかったため『使える』と思ったのだと。脅かしすぎた気がしたから手加減もしたのだと。――嘘だ、と僕は猛抗議した。恐怖のどん底に突き落とした相手にあの凶暴な笑顔! 秋夫は僕を追い詰めることを愉しんでいた。絶対に。
あの日、住むところも金もない状態でまんまと転がり込む先をみつけた秋夫はたぶん天に感謝しただろう。無論僕は天から見放された気分を味わったけれど。
とにかく、
不本意ながら僕たちの同居生活が始まった。
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