彼女が空からやってくる

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「なにがおかしいとのです」  笑いが気に障ったのか、ヤツの方かから沈黙をやぶった。 「いやな、おまえがなんでこんなまどろっこしい手を使ってるのかなって思ってな……」 「生憎と、我々はあなたが想像してるほど万能ではないということですよ。それでも圧倒できるだけの差はありますけどね」 「ああ、強度的問題か消費エネルギーの問題か、あの光線銃は連射できないってことだろ」 「そのとおりです」  それが自分の首を絞めるとも知らずにバカ正直に相手は答える。 「既に予測済みでしょうが、重力の倍増とムーベの同時使用はできません。試せばできるのかもしれませんが、実験もせずリスクを冒せる状況でもありませんから」 「だったらさ、なんでこんなにジワジワゆっくりとした攻撃してくるのさ。実は拷問が趣味?」 「…………」  答えは返らない。  それは自分の弱点を告げているようなものだ。  つまり……。 「おまえ、過去に地球人を殺したことがあるんだろ?」  そして、それを激しく後悔している。
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