彼女が空からやってくる

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「どうしてですかぁ!!?」  美少女ボイスは大音量で聞いても心地よいものだった。内容はともかくね。 「いや、そりゃ誰だって、死にたくないだろ……ふつうは。キミはちがうの?」 「そりゃ、確かにそうですけど……」  いちおう、そのへんの価値観は共有できるようだ。 「でも、死んでもらえません?」 「いやだ、絶対に死にたくない」 「スマホやパソコンの中身は極秘に処分しておきますから……ネ?」 「そんなの関係ない!」  上目使いでおねだりっする美少女から目をそらし、自らの命を懸命に守る。   「でも……それだと……う~ん、死にたくなりますよ?」 「なんでだよ!?」  可愛いらしくも曖昧な美少女の言葉に、そう言わずにはいられなかった。 「それはですね……う~ん、どう説明しましょう。迂闊(うかつ)なことは言えませんし……。  ちょっとまってください」  そう言って彼女は、下腹部あたりの布地をポケットのようにめくると、そこに銃を収納する。まるで青いネコ型ロボットのポケットのように痕跡なく消えてしまう。それが済むと、今度は両手をひろげてまぶたを閉じた。そして、銀色のアンテナの延びた額を大空へと向けるのだった。
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