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「ブリ男さん?」
早良が、そう言ってブリ男の方を不思議そうに見る。
「そうです。
ブリ男です。
契約しますか?しませんか?どうしますか?」
ブリ男が、そういうと早良は戸惑う。
「ひゃ!魔界……ってことは、悪魔?」
「悪魔……とは、また違いますが魔族ですね」
「そんな、悪魔に魂を売るような真似できませんよ!」
「では、質問を変えます。
あの怪人に食べられますか?それともあの怪人と戦う力を得ますか?」
「そのどっちか二択しかないんですか?」
ブリ男の言葉に早良が、涙ぐむ。
「……はい。
食べられるは大げさですが、殺されるのは確実でしょうね」
「そうなんですか?」
早良が、そう言うとブリ男はうなずく。
「はい!
怪人にも怪人なりのプライドがありますからね……
ほら、見てください。
あの怪人の顔を!今にも貴方を殺そうと怒り狂っていますよ!」
「キサマは、ブリ男だな?
魔族のくせに邪魔ばかりするというあの噂の!」
怪人は、そう言って剣を抜く。
「ほら、あの剣を見てください。
殺る気満々ですよ!」
「ひゃ!あんな剣はじめて見た!
あんなので斬られたら死んじゃうよー」
早良が、ひとりで騒ぐ。
「早良さん、落ち着いてください。
魔法少女になれば、あんな怪人すぐに倒せます!」
「魔法少女って、魔法少女ですよね?
アニメとかだと【天の使い】とか【精霊さん】とかそんな感じのところからの使者から力を与えてくれるはずです!
魔族から力を借りるなんて聞いたことありません!」
早良のその言葉を聞くとブリ男はため息を付いた。
「早良さん、落ち着いてください。
魔法少女も魔法使いも【魔】を扱うものです。
つまりは、魔族もしくは精霊と契約をしてその技を使います。
貴方は今、その魔族と契約しあの怪人を倒す力を得るのです。
あの怪人だけではありません。
貴方が、これから襲う地球の危機から救うのです!」
それを聞いた早良に不安が襲う。
「でも……
そんな大変なこと私なんかに務まるわけが……」
「大丈夫です。
貴方の勇気、見せてもらいましたから……」
「私の勇気……?」
「はい。
僕をあの雑魚な怪人から救おうとした勇気です。
そして僕には、貴方に力を与える力があります」
「私に力……」
「そうです。
力です。
少なくてもこの場にいる人々は救えるでしょう。
僕と契約して力を得ますか?
それとも契約しないで死にますか?」
「私……」
早良は、ゆっくりと深呼吸をする。
力が……力がほしい。
みんなを護る力がほしい。
そして、早良は答えを出す。
「私、魔法少女になります!」
早良の言葉を聞いたブリ男はゆっくりとうなずく。
「はい。
わかりました」
ブリ男は、そう言って手を差し出した。
早良は、とまどいながらもブリ男の手を握る。
「これで、契約完了です!
その意志……しっかりと受け取りました!」
ブリ男が、そう言うと早良の中で何かが生まれた。
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