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しかし、その剣をブリ男が素手で受け止めた。
「早々、武器を手放すとはハタハタ軍も落ちましたね」
ブリ男が、そう言うと剣を地面に突き刺した。
「剣の1本や2本どうした!
そんなものいくらでも出せる!」
怪人は、そう言って空中より剣を出した。
「ほう……
では、何本も作ってもらいましょうか。
全て、このブリキュア・サーラが薙ぎ払ってくれます」
ブリ男が、そう言うと怪人は、早良の方を見る。
「……って、私ですか?」
早良の目が泳ぐ。
「そうです。
これは、人間対ハタハタの戦いです。
ブリタニ国の掟により私たちブリタニ界の魔人は、他の種族の戦争には加担することは出来ません。
なので、僕が出来るのは力を与えることだけです。
さぁ、ブリキュア・サーラ!
貴方の力を見せてください」
ブリ男が、そう言うと早良に向かって剣を構えて襲いかかる。
早良、その攻撃を避ける。
避けて避けて避けまくる。
「ちょっと……
私に戦える武器なんて……」
早良が、避けながらそう言うとブリ男が、優しい口調で言葉を放つ。
「貴方の武器は、貴方にあります」
「ちょ……どういう意味ですか?」
「かのマリー・アントワネットは言いました。
『お菓子がなければブリオッシュを食べればいいのに』と……」
「意味がわかんないです」
早良が、涙目でそう言うとブリ男が答える。
「つまり、今の力がないのなら別の力を使えばいいのです」
「え?」
「魔法は想像力です。
貴方のための貴方だけの武器を作ってください。
早良さんのその動きを見ると何かスポーツをやっていますよね?」
「弓道と漁業組合で鍛えぬかれた足腰には自信がありますけど……
こんな怪人さん相手に通用するなんて……」
早良が、そう言って自信なさげに涙をこぼす。
「貴方は、まだまだ早良さんのようですね」
「え?」
「今の貴方は、早良さんじゃない。
ブリキュア・サーラです!」
「ブリキュア・サーラ……?」
「そうです。
さぁ、もう一度言うのです!
青い光が……なんですか?」
「青い光が……私を照らす……
キュアな私が貴方を照らす……」
「もっと気合を入れて!」
「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!」
「さぁ、もう一度!」
「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!
魔法少女ブリキュア・サーラ!ここに参上!」
早良の体が再び輝く。
早良の手に大きな光の弓が現れる。
この瞬間、早良がサーラに……魔法少女ブリキュア・サーラに変わったのだ。
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