Scene.01 魔界の果てからこんばんは

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 サーラが、弓を構える。  すると怪人が、間合いを取る。 「レインボー・アロー」  サーラが、弓を放つ。  弓は、怪人の腕に当たる。  怪人の腕が消滅する。 「あ?ああーー?」  怪人が悲鳴をあげる。 「惜しいですねぇー  矢が、胸にあたっていれば確実に倒すことが出来ていましたねぇー」 「なんという破壊力なんだー!  これは、今のうちに芽を摘んでおくべきか!」  怪人が、そう言うと破壊された腕が光輝き再生する。 「再生?トカゲ?」  サーラが、そう言うと怪人が怒鳴る。 「誰がトカゲだー!」  怪人は、剣を召喚するとそれを投げつけた。  するとその剣をサーラが弓で撃ち落とす。 「サーラさん、凄いですよ。  もう、矢の召喚魔法を使いこなしているじゃないですか」  ブリ男が、そう言って笑う。 「え?これが魔法?」  サーラが、ブリ男に尋ねる。 「はい。  そうですねぇ、貴方たちの世界でわかりやすく言えば無属性の矢の攻撃魔法です」 「む、無属性なんですか?」  サーラが、そう言うとブリ男が首を傾げる。 「はい。  無属性です。  無属性の魔法って意外と難しいのですよ?」  するとサーラが、小さな声で言った。 「七つの属性の魔法をイメージしたなんて言えない……  というか私、七つも属性知らないけど!」 「おや?  なにか言いましたか?」  ブリ男が小さく笑う。 「な、なんでもないです!」  サーラが動揺する。 「俺を無視するなー!」  怪人が、そう言ってブリ男の方に剣を投げた。  ブリ男は、その剣を指で受け止める。 「もしかして、ブリ男さん。  あの怪人に勝てるんじゃ……」 「まぁ、あの程度の怪人なら僕がその気になれば1秒もしないうちに消滅させれますね」  ブリ男が笑う。 「だったら、ブリ男さんが怪人たちを倒すってのは?」 「いえ……  先程も言いましたが、ブリタニ王の命により僕がこの戦闘に参加することは許されません。  『人間たちの問題は、人間たちで解決すべき』というのがブリタニ王のポリシーですので……」 「そうなのですか……」 「でも、『生物は常に平等であれ』というのもブリタニ王のポリシーです。  なので、僕は貴方たち人間に力を貸すのです」 「だから!  俺を無視するな!」  怪人が、何本もの剣をブリ男に向けて投げた。  するとブリ男は剣を構え次々とその剣を斬り落としていった。 「全く剣術の心得がないものの発想ときたら……  反吐が出ますね」  ブリ男は、大きくため息を付いた。
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