169人が本棚に入れています
本棚に追加
「はー・・・・・」
消灯延長申請、
しておけばよかった。
残業ゼロを目指しましょう、
とかいう会社の方針で
19時きっかりに明かりの
消えたフロア。
そんな中、パソコンの
灯りだけを頼りに
そのパソコンに文字を
打ち込んでいるあたし。
ここは、とある
お菓子メーカーの
商品企画部オフィスだ。
そこで20時過ぎまで
パソコンとにらめっこ
してるあたしは、
課長に、
「次のプレゼンのパワポ、
明後日までに作っといて!」
と丸投げされて、
嫌々残業中なわけですよ。
その課長は子どもの
誕生日だとかで、
18時過ぎには
上がりやがった。
糞食らえ。
「はー・・・・・
ここまでやれば、
あとは明日で
仕上がるかな・・・」
あたし以外残ってない
オフィスで、あたしは
独り言を呟く。
パソコンの電源を落として、
キャビネットの鍵が全部
締まってるか確認して、
廃棄の書類をシュレッダーに
かけたら、ゴミが一杯です、
なんて赤いランプが点滅。
バコッとシュレッダーの
扉を開ければ、中のゴミ箱に
もっさりと山になった紙屑。
あーもう。
ゴミ箱のゴミ袋を換えて、
ゴミ箱をもう一度中に
戻して、バコンッ!!と
扉を閉めてから、
再開ボタンを押すと
シュレッダーが再び
動き始めた。
ゴミも捨てた、鍵も閉めた、
パソコンの電源も切った、
よしゃ、帰るべ。
オフィスの鍵を閉めて、
エレベーターで1階まで
降りる。
鍵を守衛室に預けて、
やっと今日の仕事が
終わりました。
「あー・・・・・
疲れた、」
肩をまわせば明らかに
凝ってるみたいな感じが
して、今度マッサージに
いくかな。
時計を見れば20時半を
回ったところで、
無理だ、今から自炊とか
死ねる。
いつも通りスーパーで
半額シールが貼られた
サラダとおにぎりと、
シューマイを買って
お買い物終了。
ビールは金曜のお楽しみ。
もう、
ここんとこ、仕事ずくめ。
毎日20時まで会社に残って
自炊なんかする暇なくて、
家に帰ったらメイク落として
飯食って、風呂入って、
そのまま就寝。
で、また朝の6時に起きる。
こんなあたし、
今年で27歳、アラサー、
彼死なしって何この
楽しい誤変換、
彼氏なしだよ、
さすがにそこまで
すさんでないわ。
毎日、仕事仕事で、
彼氏なんて作ってる
余裕なし。
ふと、あ、そういえば
あたし女だっけ、
なんて思うことさえある。
女に生まれた意味は
どこへやら。
最初のコメントを投稿しよう!