167人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしは孝太郎の
ネクタイをグイッと
引っ張った。
その衝撃で孝太郎は
バランスを崩して。
「てめっ、」
孝太郎の発情期は、
顔をぶん殴られて
歯を折られるとか、
肉体的に衝撃が
あったとき、
あとは、
あたしに嫌いって
言われるとか、
精神的に衝撃が
あったときに、
収まってきてた。
だったら・・・・!!
あたしはそのネクタイを
ぎゅっと握りしめた。
「だめ、よ、
孝太郎っ。
あたし、
いつもの孝太郎でなきゃ、
イッてあげない。」
ぶわっと、
孝太郎の黄金の瞳が
見開かれて。
そして、
スーー・・・・・っと、
いつもの黒い瞳に戻る。
あたしは息を乱したまま
孝太郎の方を見つめた。
「も、どった?」
「~~~~~~~~っ!!!
おまえ、
っ、
馬鹿だろっ・・・・」
恥ずかしそうに、
顔を背ける孝太郎。
犬耳もへにゃり。
あたしは、その
孝太郎の頬にそっと、
優しく触れた。
「馬鹿じゃないもん。
本気よ?」
いつもの孝太郎じゃ
なきゃ、
いや。
「・・・・、
いい?」
孝太郎が、
震える声で、
訊いてきた。
訊くなんて、
野暮なことしないで。
「まだ待たせるの?」
あたしがいつもの
強気で笑うと、
孝太郎もクスッと
笑った。
「そのよゆー、
絶対なくしてやるっ。」
―――――――――――――
――――――――――
―――――――
最初のコメントを投稿しよう!