1. 第一部 

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 あれからだ。僕ができる仕事、例えば届け物とか、子供だから都合の良い場合とかにアルバイトとして手伝っている。 おばあさんは、セツ子さんと言って、リピーターになってくれた。セツ子さんは若い頃モデルをやっていて、富豪の旦那さんに見初められ結婚したらしい。 親子ほど年が離れていたが、大恋愛だったと言い切っていた。何年も前に亡くなっている旦那さんの話をするセツ子さんの目は、いまだに恋をしているような熱っぽさがある。 叔父さんとはバーで知り合って、話相手になってもらっていたとのこと。基本は一人が気楽でいいが、たまに誰かと話がしたくなるのだと言う。   そんなこんなで、僕がお茶をしに月一回くらいお邪魔している。 叔父さんが何故、探偵業をやっているのか。とても気になるところではある。 だけど叔父さんは秘密主義者なので容易に話してくれるとは思えない。
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