1. 第一部 

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探偵と言っても、ハッキリ言って何でも屋。浮気調査や企業の経理の使い込み調査から、日常の雑用の依頼。最近は孤独死の家の片付けなんてのも増えている。 「で? 潜入して今日で一ヶ月だが?」 これはいつもの打ち合わせだ。こうして送り迎えの車の中で、僕が気になったことは逐一報告するのが最近の日課になっている。 「うーん、ミカはシロだと思う。シズカはまだわかんない。変なファンもまだ出てきてないし、特に危ない事は感じないなー。てか、叔父さん、メイク室の会話とか聞いてたでしょ?」 僕の右手のブレスレットには小型盗聴器が入っていて、叔父さんは録音しチェックしているのだ。 「シズカも白だな」 そう言い切る叔父さん。 「えー、なにそれ、もしかして好みとか言われたから………」 「ばーか。違います。彼女の目的ははっきりしているからな。空き時間は参考書開いて本気で勉強しているし、アイドルに執着しているわけでもなさそうだ。わざわざ四人の美少女の顔を傷つける動機も時間もない」 「ふーん……、まあ、そうかな。シズカも普通に美少女だしね」 「お!李央くんのお眼鏡にかなうとは」 「普通にって言ったでしょ。璃果ちゃんに比べたら足元にも及ばないよ」 「キミのそのシスコンぶりは清清しいほどだな」 シスコン……?僕は、純粋に美しいものを美しいと敬っているだけだ。僕は、マイナスの要素を含むシスコンという言葉を使われることに納得がいかない。
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