靴の持ち主

1/4
前へ
/20ページ
次へ

靴の持ち主

キンコンカンコン、と、終業を知らせるチャイムが鳴った。私は帰る準備をしようと、私は机の横にかけてあった鞄に手をかけた。引き出しに入っていた教科書を机の上に出し、鞄に入れようとしていると、先生に名前を呼ばれた。頼みたい事があるからあとで職員室まで来て欲しい、と言う事だった。私は、分かりました、と言い、再び鞄仕舞いを始めた。すると今度は、友達が話しかけてきた。リン、アヤ、ナミの、私がいつも一緒に帰っている三人だ。真っ先に口を開いたのはリンだった。 「チカ、ねぇ早く帰ろー」 リンは、少しばかり大袈裟にうなだれて見せた。するとすかさずアヤがフォローを入れてくれた。 「リン、聞いてなかったの?チカ、先生のとこいかなくちゃでしょ。暇なら私の委員会の仕事一緒に行くよ。」 「うん分かったーあ、ナミも行く?」 「私はチカと一緒で、先生に呼ばれてて、音楽室に行かなきゃなの。遅くなりそうだから、ごめんけど先帰っててくれるかな?」 「オッケー、じゃあ、チカ、あんたより早く終わったらいつもの場所で待ってるね。じゃあ後で、ナミはまた明日ね。リン!ほら行くよ。」 「アヤー待ってよー ナミまた明日ね!」 「うん、またねー じゃあチカも、バイバイ。またね!」 「うん。バイバイ」 そう言って、私たちは教室で、簡易的な別れをした。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加