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靴の持ち主
キンコンカンコン、と、終業を知らせるチャイムが鳴った。私は帰る準備をしようと、私は机の横にかけてあった鞄に手をかけた。引き出しに入っていた教科書を机の上に出し、鞄に入れようとしていると、先生に名前を呼ばれた。頼みたい事があるからあとで職員室まで来て欲しい、と言う事だった。私は、分かりました、と言い、再び鞄仕舞いを始めた。すると今度は、友達が話しかけてきた。リン、アヤ、ナミの、私がいつも一緒に帰っている三人だ。真っ先に口を開いたのはリンだった。
「チカ、ねぇ早く帰ろー」
リンは、少しばかり大袈裟にうなだれて見せた。するとすかさずアヤがフォローを入れてくれた。
「リン、聞いてなかったの?チカ、先生のとこいかなくちゃでしょ。暇なら私の委員会の仕事一緒に行くよ。」
「うん分かったーあ、ナミも行く?」
「私はチカと一緒で、先生に呼ばれてて、音楽室に行かなきゃなの。遅くなりそうだから、ごめんけど先帰っててくれるかな?」
「オッケー、じゃあ、チカ、あんたより早く終わったらいつもの場所で待ってるね。じゃあ後で、ナミはまた明日ね。リン!ほら行くよ。」
「アヤー待ってよー ナミまた明日ね!」
「うん、またねー じゃあチカも、バイバイ。またね!」
「うん。バイバイ」
そう言って、私たちは教室で、簡易的な別れをした。
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