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十五分ぐらいで用事は終わった。私は、二人を待たせているといけないと、急いで昇降口に向かった。そして、素早く下駄箱から下靴と上靴を取り替えると、アヤの言っていたいつもの場所、“体育館前”に急いで行った。そこには、二人はまだおらず、少し安心した。私は彼女達がやって来るまで本を読んで待っている事にした。
二十分程経っただろうか、本を四十ページも読み進めているのに、彼女達は一向に現れなかった。気がつくと辺りにはもうほぼ生徒は残っておらず、日もだいぶ傾いていたため、何処か心寂しいものがあった。あの二人は、自分を置いて帰るような人達では無いと分かり切っているはずなのに、この状況のせいで、嫌な事しか頭に浮かんでこなかった。そうやってぼーっとしていると、先生が近くを通り、
「チカちゃん何してんの。早く帰りな。暗くなったら危ないよ。友達待ってるんなら門の外で待ってなさい。じゃあね。」
と言って立ち去った。私は、先生の言う事に従って、門の外で二人を待つ事にした。もう、帰ってしまおうか。とも思ったが、私は、大好きな友達を最後まで信じたかった。
私は校門に向かって、門を出たそのすぐ脇でしゃがんで彼女らを待つ事にした。
アヤ…リン…そう考えていたら、背後から声が聞こえた。
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