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「チカ、ここにいたの!?」
「あれ!?なんで…?」
その声は、紛れもない、私が待っていた友の声だった。私の中は、安心と言う感情ですぐにいっぱいになった。しかし、そんな私とは裏腹に、二人は様子がおかしかった。
「二人とも、なんかあった?大丈夫?」
と私が問うと、リンが、ポツリ、と言った。
「チカの下駄箱に、下靴が入ってた。」
軽く顔面蒼白になっているリンの一言では分からず、詳しくアヤに聞いてみた。
「アヤ、どう言う事?私、下履なら今履いてるんだけど。二人が、見間違えたんじゃないの?」
「…あんたの、下駄箱の中に、あんたの名前が書いてある下靴がさっき、五分ぐらい前かな。に、下駄箱の中に入っていたの。それに、見間違いな訳がない。下駄箱のに貼ってある名前のテープも確認したもの。だから昇降口の前で待ってたのに。」
「五分前?そんな時間私はとっくにいつもの場所にいた!」
私が、そう訴えるとアヤも、え、と言う顔をして言った。
「チカのじゃなかったら、一体誰の靴なの?まさか…幽霊…」
「怖いからやめてよ!もう、この話は終わりにして、お家、帰ろう?」
リンのその一言によって、家に帰る事にした。その日の帰りは、いつもは楽しく弾む会話が、おぼつかないものになっていた。
私は家に着いてベットに倒れ込むなり考えた。
幽霊。私も一瞬、そう思ってしまった事。
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