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覚醒と狂気の間
私は今、夢の中を彷徨っている
私は残忍なことを散々してきた
憎いやつを滅多刺しにして
捨てやすいように解体した
骨は粉砕して灰になって飛んだ
肉類は細切れにして便器に捨てた
私の体は血まみれだった
私は外に出て血に染まったナイフを振り回した
なのに誰も騒ごうとしない
交番の前を行ったり来たりした
そうしたらどうされましたかと聞いてくる
私は人を殺してきた 身体中血で真っ赤だろうという
それなのに警官は笑ってご冗談をという
私はグレーのスーツにネクタイをして鞄まで持っているんだ
どこから見てもビジネスマンだ
何かがおかしい
昨日の深夜の出来事は夢なのか
それにしては現実的すぎた
私はカバンからナイフを取り出し警官の腹を刺した
まだ警官は笑っている
おかしい、まだ夢を見ている
夢から醒める一番の方法はビルから飛び降りることだ
だが怖くてできそうもない
どうしたら現実に戻れるのか
誰か助けてくれ
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