I → U.【短】

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「はい、これは今日の宿題ね」 私がプリントを配り終えると、「えー、何これ」という声があちこちから聞こえてきた。 生徒が全員プリントに目を通したのを確認してから、私は課題の説明をする。 「これを何て読むのかもあなたたちの自由。何を意味しているのかも自由。もちろん登場人物もね。あなたたちの思いをこの文に込めて自由に発表してください。期限は明日」 なるべく生徒全員の目を見ながら、ゆっくりと話した。 ここにいる子たちはどんな " I → U. " を発表してくれるのだろう。 そう思いながら。 「ええー、明日提出?早くね?」 クラス1のヤンチャ坊主を筆頭に、教室からは不満と戸惑いの声が上がっている。 「いいの、こういうのはひらめきが大切なんだから」 じゃあ楽しみにしているからね、と声をかけて私は教室を出た。
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