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「せっかくだから、次は " 私からあなたへ " 以外の意味で発表できる人はいる?」
ハイ、と自信なさげに手を挙げてくれる子がいた。
「ありがとう。麻里奈、どうぞ」
「私は、" 私があなたが好きです " と読みました。ここでいう " あなた " はちょっと発表できないですが...あの、私の好きな人のことです。" I love you. " って言うのは恥ずかしいけど、" I → U. " なら気負わずに伝えることができそうで...直球じゃないように見えるけど、矢印があることでむしろ " love " より直球なんじゃないかなって思いました」
「そうだね、ありがとう。" I love you. " とも読めるね。他にそう読んだ人はいる?」
はーい、と伊織が手を挙げた。
「私も " love " の意味で読みました。私のイニシャルの " I " と、彼のイニシャルの " U " でまさに "I → U. " だなって」
ヒューとクラスから声が上がり、多くの人の視線が浦野へ映る。
きっと伊織の彼は浦野なのだろう。
「ふふ、素敵ね。伊織、ありがとう」
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