魔族との出会い

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魔族との出会い

異世界アラドゥラに降り立ったジェーナは今、森の奥にいるのですが まず森から出ないといけないのです。 そんなジェーナは辺りを見回して空を見上げると既に暗いので このまま動いていいのかどうかもわかりません。 それに狼の遠吠えも聞こえるので襲われたりされると非常にマズイし、 危険ですので動くにも動けない状況です。 しょうがないジェーナは森の奥でじっとしようと考えているのですが 流石に野宿するわけにもいかないので何処かで休める所を探そうとしているのです。 そこでジェーナはその場から動くとなるべく足音を立てずに移動しているのですが どうしても足音を立てていまして困っているのです。 そんな時です。 ジェーナの周りに数匹の狼が現れ、狼によって囲まれるのです。 狼達はジェーナの事をギラつく眼で見ておりまして、口から涎が 流れ落ちて地面にポタポタと落ちているのです。 狼達を見ているジェーナは足腰がガクガク震えて怯えているのですので どうしようという感じですが、今のジェーナにはどうする事も出来ないのです。 ジェーナはあまりの怖さに尻餅を付いて地面に腰を下ろして座り込んでしまうのですが 狼達はじりじりとにじり寄って来るとジェーナは 「私を食べても美味しくないよ? 美味しくないからっ!!!」 そんな事を言っても狼達には当然の事ですが、人間の言葉なんてわかるわけもないし 狼達は今にでも襲いかかってジェーナの事を食べようとしているのです。 そんな狼達はジェーナの事をじっと見ながら 「ガルルルルルルッ」 と吠えているのです。 「ひぃっ、来ないでっ!! 美味しくないからっ!! 来ないでよっ!!」 そう言うと狼達は一斉にジェーナに襲い掛かるとジェーナは 「きゃぁぁぁああああああっ!!!」 と悲鳴をあげるのです。 しかし、ジェーナは目を開けると襲い掛かって来た狼達が死んでいるのです。 どうなっているのと不思議がっているジェーナは腰をあげて地面から立ち上がると お尻に土が付いているので払い、辺りを見回すとそこには一人の人間? らしき人物がいるのです。 ジェーナはきっと人間? らしき人が助けてくれたのかなって思うとお礼を言う為に 傍まで行きこう言うのです。 「助けて頂いて誠にありがとうございます」 とお辞儀しながら言っているのです。 人間? らしき人は振り返りジェーナの事を上から下までジロジロと見てから 「お礼を言われる程の事はしてないわよ」 そう言われるとジェーナは再び人間? らしき人に 「いいえっ、命の恩人です、本当にありがとうございます」 そう言うのでした。 人間? らしき人はいきなり笑みを浮かべて 「それにしても汚い恰好しているわね、ばっちいわねっ!!」 そう言われるとジェーナは自身の身体を隅々まで見てから 「えっ? 何コレ? まるで奴隷じゃないっ!! いやぁぁあああああっ!!」 と大声で叫ぶと人間? らしき人がムッとした顔で 「近くで叫ばないでっ!! 五月蠅いでしょっ!! 馬鹿じゃないのっ!!」 強く怒鳴られるとジェーナは俯いて項垂れていると 「ご、ごめんなさい、すいません」 と言うのです。 「それにしても貴方ってどう見ても奴隷よね?」 「はいっ、奴隷です」 「奴隷って最低だよね~、近寄りたくないわね」 「そ、そんな事を言わなくてもいいじゃない」 「どうして奴隷なの?」 「お話すると長くなるので…………」 「話してごらんなさい」 「はい」 ジェーナはどうして奴隷になったのか? 他にも今までの経緯を全て人間? らしき人に教えているのです。 「成程ね、暗殺されて転生してこの異世界に降り立ち 奴隷となっているわけね」 「はい、そうです」 「奴隷って不運なものになってしまったのね」 「はい」 「そうだ、私のパートナーになりなさいよ」 「身分もわからない人とは……せめて身分やお名前を教えて下さい」 「名乗る程でもないわねっ、あっははははっ」 「えっ? ぇえええええええっ!?」 「なんてね、身分もお名前もしっかりと教えるわよ」 そう言われると胸を撫で下ろしホッとしているジェーナがいるのです。 「それよりもここだとさっきの狼達が来るといけないから 場所を移しましょう」 「はい、そうですね」 そう言いますと人間? らしき人はジェーナの事を抱き抱えると そのまま背中にある羽らしきものを広げて空高く飛び立つのです。 「空……空飛んでいるじゃない……こ、怖いですっ、きゃぁぁああっ!!」 と叫ぶと人間? らしき人はジェーナの事を見つめながら 「怖くないって、それより動かないで貴方の事を落としちゃうでしょ」 そう言われても怖いジェーナは手足をジタバタさせると人間? らしき人は ジェーナの事を離していまして、ジェーナは急降下で地上へ落ちて行くのです。 「あぁっ、もうっ、何でこうなるのよ」 とぶつぶつと言いながらジェーナの元へ急いで飛んで行くのです。 そして、何とか間一髪、地上へ落ちる前にジェーナの事を救出出来た 人間? らしき人は安堵しているのです。 「危ないじゃないの、じっとしててね」 「はい、わかりました、本当にごめんなさい」 と謝るジェーナです。 「それより貴方はお名前は?」 「ジェーナと言います」 「なかなか良いお名前ね、素敵よ」 「あ、ありがとうございます」 「私の名前はね、ガルアレーアよ、宜しくね」 「ガルアレーアさんは人間ですか?」 「いいえっ、人間じゃないわね」 「もしかして……モ、モンスターっ!?」 「いやいやっ、それに近いけど、違うから」 「私はこう見えて魔族よ」 「ま、魔族っ!! 離して、こ、殺される~~~っ!?」 「殺しませんからっ」 「本当に?」 「本当です」 「そろそろ私の住処に到着するわね」 そう言いますとガルアレーアは地上へ降り立つとジェーナの事を離して ガルアレーアとジェーナはガルアレーアの住処へ移動しているのです。 「えっと……此処って何ですか?」 「此処は此処じゃないの」 「ぜんぜん全くわかりませんし、此処は何処なの?」 「最果ての村よ」 「えっ? 冗談ですよね」 「冗談言ってどうするのよ」 そう言われてジェーナはショックを受けたのか、 落胆しているのです。 そこでガルアレーアは足を止めてジェーナに向かってこう言うのです。 「それよりも私のパートナーになるつもりないの?」 「えっとですね、パートナーになってもいいですよ」 「賢明な判断ね」 「はい」 「では契約しましょう」 「契約って何するの?」 「貴方の命貰います」 「えっ? えぇぇぇええええっ!!」 「冗談よ、キスして」 そう言われるとジェーナはガルアレーアの側まで行きガルアレーアの 唇に唇を重ねてキスしているのでした。 「これで契約完了ね、ジェーナはもう私のモノね」 「はい」 「私が主で貴方が下僕みたいなものよ」 「はい、わかりました」 「これから宜しくね、ジェーナ」 「はい、ガルアレーアさん」 「さん付はやめて、呼び捨てでいいわよ」 「は、はい」 こうしてジェーナはガルアレーアに仕える事になるのですが ある意味では主従な関係とも言えるのです。
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