「うさぎサンタの等価交換」

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「面白い子だったな〜」 ベッドの縁辺りを背にして、ビール缶片手にそう呟いた。 こんな時期に、しかも、自身でクリスマス用のプレゼントを買いに来るだなんて、赤の他人なのだが、色々と詮索してしまう。 (兄弟がいて、それの為に買いに来たとか?) それにしても、小学生の子が買いに来るのだろうか。 「いや!家庭それぞれ何かあるんでしょ!これ以上詮索するのやめ!酒がマズくなる!!」 ぐいっとビールを一気に喉に流し込む。 「あーっ!ビール呑んでないとやってられないわー!」 明日も今日のように死ぬほど忙しい。 少しでも好きなことをしてないとやってられない。 「おもちゃ屋で働くことも好きだったことだったんだけどな…」 入った時と今の気持ちはどこか違っていた。 マンネリ化にも近い。 「仕事変えようかな…」 呑みきった缶ビールを潰し、目を閉じた。
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