270人が本棚に入れています
本棚に追加
放心状態になりながら、私はベッドに寝転んだ。
拓馬さんが叶多さんと同級生なら、25歳。
長男の一馬さんは、弟と4つ離れていると言っていたから、29歳だ。
私とは6つも離れていることになる。
思い返してみれば、一馬さんは叶多さんの話題になると、なんだか歯切れが悪かった気がする。
まさか拓馬さんは、紹介してもらうのが面倒になって、兄の一馬さんを代わりに出席させたとか?
もしも、紹介してもらう相手がそのまま拓馬さんだったら、今とは違う未来になってたのかな。
でもあの性格だから、連絡先も交換せずに、一度会ったきりで終わりそう。
だとしたら、あの日出会ったのは一馬さんでよかったのかもしれない。
私はちょっとした未練を胸の奥に閉じ込め、明日着ていく服を選ぶことにした。
最初のコメントを投稿しよう!