出会ったころ

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出会ったころ

私、石野穂乃華は小学校5年生の時に笹原優斗と言う男の子に出会った。 優斗は、容姿はずば抜けていて、勉強もとてもできるという完璧男子だった。 そんな優斗に私は惚れていった。 出会いの原因は、小学校5年生のクリスマスだった。 私は、親がいつも家にいなかった 父親は、小学3年のころに交通事故で他界してしまった。 母親は、小学4年のとき単身赴任でいっしょには住んでいなかった。 だから、母方のおばあちゃんの家で暮らしていた。 そして、今日は、クリスマスというわけで街のにぎわいが、とても、うるさいほど、にぎわっていた。 私には、サンタさんなんて来ない そんなこと分かってるし… でも毎年この時期になると、とても心は寂しくなる なんでだろう… 私は、なんかつまらなくなり、外に出ることにした。 そして、にぎわいが止まらない、商店街を抜けて、とある公園についた。 ここは、悲しくなると私が来ると決めている公園だった。 いつもは、私しかいないのに、今日は、見たことのない顔の男の子がブランコに乗りながら、上を向いていた。 人がいるならと家に帰ろうとしたら、聞いたことのない声が、私を引き止めた。 「何してるの?」 何してるとは? ただ公園に来ただけだけど… 答える言葉がわからないまま、だまりこんでいたら、 「おーい?どうかした?」 『あっ、あのー、あなたは何してるんですか?』 そう声をかけてみた、そうすると、 「は?」 えっ?なんか怒らせたかも?ヤバいかも? 『ごめんなさい』 「なんで謝んの?」 『だって怒らせたと思って…』 「怒ってないし」 『そ、そう』 「うん」 『じゃあ、さようなら…』 「は?帰るの?」 『え?』 なんで?帰っちゃダメ?なのかな?でも、この子に用はないし…どうしよう… そう思ってボォーっと立っていると、 「てか、君って稲葉小学校?」 と、聞かれなんで知っているのだろうとばかり思った。 でも、何も言わないわけにはいかないと思い、 『そ、そうです…』 「やっぱね」 『なんで私が稲葉小だって分かったの…?』 そうたずねてみると、 「だってその顔学校の中で見たことあるから」 ってことは、この子も稲葉小なのかな? 『あ、あのー』 「ん?」 『あなたも、稲葉小なのかな?』 「そう、それと、あなたっていうのやめて」 『でも、名前知らないし…』 「名前教えるから」 『う、うん』 「俺の名前は、笹原優斗」 『優斗くんって4組の子?』 「ん、そう」 やっぱり、聞いたことある、4組に笹原優斗くんって聞いたことがある。 クラスの女の子の中でも、カッコいいと有名だ。 そう、考えていると、何やら話しかけてきた 「君は何組?てか名前は?」 『あ、あー、私は、3組です、名前は石野穂乃華です。』 「ふうん」 ふうんってなんか興味なさそ… 気づけば、かなり、時間がたっていた、だから、帰ろうと、 『あのー、今日はもう遅いから、帰ってもいいかな…?』 そう言うと、 「いいけど、また明日ここに来て」 『は?』 「は?って?」 『また明日もここに来いってこと?』 「そう言ってるじゃん」 なんて生意気な子だと思ったけど、そんなこと口が裂けても言えない… 『分かったよ…じゃあまた明日…』 「ん、分かった、じゃあ、また明日、穂乃華」 『えっ?う、うん』 なんか、まだあったばかりで呼び捨てで呼んでくるなんて でも、なんか優しかったな 何、考えてるんだろ 家に帰らないとね… それからというもの、毎日のように、優斗に会っていた 夜の8時の鐘に間に合うように、公園へ行った でも、ある出来事により、優斗を避け続けるようになってしまう…
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