優斗の本音?

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優斗の本音?

そしてある日の、待ち合わせの時 もう8時になるというのに、優斗は公園に来ない 待っていても来る予感はなかった。 私は帰ろうとした。 その時、知らない女の子と歩いている優斗が目に写った でも、優斗は、私には気づかない 帰ろうとしたが、このまま、まっすぐ進んでいくと、優斗に会ってしまう… だから、一回公園に戻ってみることにした その時すごく胸が痛いのが分かった そして少し待っていたら、 「ああー、ごめん穂乃華遅くなって…」 なんか焦っているようだった 私は、 『いいよ…今日はもう帰るね…』 そう言うと、 「え?帰るの?」 2時間も待たせたくせに、なんで帰っちゃいけないの?意味がわからない… 『もう、10時近いから帰るよ…じゃあね…』 「じゃあまた明日来て」 は?なんで?裏切ったくせに… 『明日は来ないよ…もう…じゃあね…』 と、そう言ってから私は、優斗の言葉を無視して公園から出た。 それから、私は、優斗と話さなくなった。 話すよりも、私が、優斗を避けていた。 そうしてること2ヶ月が過ぎた。 それから、優斗とは、関わり0《ゼロ》になった。 会う前に戻ったのだった。 それなのに、私は、優斗のことしか頭になかった。 よく分からない、気持ちが私の中を回ってる。 きちんと言ったほうがいいのかな? なんでこんな事考えてるんだろう。 考えるのはやめよう、と思っても考えてしまう、理由は分からない そして、優斗と話さなくなって、丸3ヶ月がたった。 と、ある平日のことだった。 その日は雨が降っていた。 学校が終わり、家に帰ってから、雨はいっそう強くなった。 なんか、あの公園がやけに気になった。 私は、傘を持って、家を飛び出した。 商店街を抜け、公園にたどり着いた そして、公園の中に入ってみると、優斗らしき人が、ブランコに傘もささずに乗っていた。 声をかけてみる…? どうしよう… 『風邪…ひくよ…』 「は?」 やっぱり優斗だ、近くで見てみるとよく分かった でも反応的に、は?はないでしょ ちょっとだけムカついた、でも、優斗は怒っていそうな顔はしていない。 どうしたんだろう…? 「なんか用?」 え?なんでそんな言い方するんだろうか…? 『あっ…、ごめん、用はないけど、ここにいそうな気がしたから…。』 「そっ」 なんか反応が冷たい 『ごめん…、じゃあ帰るね…。』 そう言えば引き止めてくれるだろうと思ってしまう…なぜだろう… そう思いながら、ぼぉ〜と立っていると、 「帰るんじゃないの?」 『う、うん…帰るよ…』 そう言ったら、 「なら早く帰りな…」 思いもしない言葉が口から出た 『イヤだよ…』 「はっ…?」 『捨てられたくない…風邪ひいてほしくない…学校で私と話してくれなくれなくてもいいから…ここにずぅーっといて風邪ひいてほしくない…』 「何、言ってるのかわからない…俺いつ穂乃華のこと捨てた…?」 思いもしない言葉が聞こえた…それに驚いていると、 「捨てるわけないじゃん…穂乃華がここに来なくなって、俺は毎日ここに来てた…穂乃華が来るかと思った…来てくれなくなったときは正直寂しかった…」 『えっ?』 「それなのに、俺が穂乃華のこと捨てるわけ無いじゃん…」 『ウソだ…』 と、つぶやくと、 「ウソじゃない…」 あの日見た光景を話してしまった 『だって、2ヶ月前、優斗が知らない女の子と歩いてるのみたよ…』 「ああー、あれはお姉ちゃんなんだけど…」 『えっ?そ、そうなんだ、ごめん』 「いいよ…、俺が言ってなかったのが悪いから…」 『う、うん…』 そうすると、優斗が私を抱きしめてきた なんかいつもより悲しい空気を纏って《まとって》いるように感じる 『なんかあったの…?』 「うん」 『え?何があったの…?』 「穂乃華に会えなくて寂しかった」 『私もだよ…』 何言ってるんだ私… 知らないうちに私って優斗のこと好きになってる… 「ん、そうだね、これからは、ここだけじゃなくてさー」 『う、うん…』 私の体を優しく離しながら、優しい声で言った 「学校でも会お」 『い、いいの…?』 「当たり前」 『分かったよ…』 「じゃあ今日」 『う、うん…バイバイ…』 「じゃあね、明日俺のクラス来て、バイバイ穂乃華」 『う、うん、おやすみ、ゆ、優斗…』 「初めてだね、呼び捨てしてくれたの…」 『そ、そうだね…じゃあね…』 私は、優斗にバイバイと伝え、家に向かって歩き出した 早く、明日ならないかと思ってしまう 大雨はいつの間にか止んでいて、星が煌めいていた。 淡雪はもう降らない春に、好きな人に会えるのが幸せだなぁーって思ってしまった。
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