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それから数日。
我らは訪れた魔王城を一瞥して、ナインフォードお嬢様へ頭を下げた。
間違った勇者の代わりに魔王を倒して、我らは我らの行動の責任を取ろうと思ったのだ。
ただの村娘であった少女が、魔王討伐の義務もないお嬢様が巻き込まれる事などないのである。
だが、お嬢様は我らと向かい合ってであはなく、隣に並び立ってくださった。
「水臭いよコッココちゃん、私達は仲間じゃない。敵がどんなに強くても関係ないって事、コッココちゃん達が教えてくれたんだよ。私は、これまでに私を支えて来てくれた皆の為に頑張りたい。だから一緒に行こう、ね?」
そう。
そうだった。
我らはお嬢様に引き上げられた存在ではなく対等な仲間。
であれば、危ない目に遭わせるからといって、置いていく行動は間違ったものなのだろう。
「きっと私達なら魔王だって倒せるよ。なんたって、魔王を倒すつもりの勇者すら倒したコッココとテイマーなんだから」
我らは声をそろえて、そのラインフォードお嬢様の信頼の声に応えた。
「「「コケッ!」」」
こうしてレベル99となった我らコッココは勇者への復讐を見事果たし、そして後に魔王を倒した事で、長く後の世まで「史上最弱の復讐者であり勇者」として、「不可能を可能にする生物の象徴として」我らが種族名を残す事になったのだった。
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