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プロローグ
ようこそ、恭稲探偵事務所へ。
さぁ。君が望む真実の扉を教えてくれないか?
私がその扉の鍵を開こう――。
†
二〇××年 十二月 十五日――。
深夜一時二十五分。京都府京都市伏見区。
星がワンポイントの紺色スニーカーに黒のスキニーパンツ。白を基調に英国国旗のようなチェック柄のシャツを重ね着しているデザインをした、フード付きプルオーバーパーカー。そこへ細身の黒ライダースジャケット。
Ⅴ系バンドにでもいそうなイケメン風ファッションに身を包み、木刀を抱えた少女が一人。
満月の月光に照らされることにより、妖艶で幻想的な空間となる伏見稲荷大社。二四時間誰でも訪れることは出来るが、満足な人工的明かりもない夜の大社へと訪れる者は少ない。
その上、冬季により日没時間が早い今、午後十時ともなれば人っ子一人いなくなる。
本来ならば誰もいないはずの時間帯だが、本日は例外のようだ。
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