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ある日、青年三人組がミシシッピ川沿いを歩いていた。
「ジョン、調子はどうだい?」
「あぁ、もちろん最高に決まっている。
それよりどうした、アレックス? いつもの元気がないぞ。
到頭、彼女に愛想を尽かされちまったのか?」
「違うよ。ジョンとマイクは今朝のニュース見たかい?」
「いいや、朝はバラを浮かべたジャグジーでまったりしていたからな」
「奇遇だな、マイク! 俺も全く同じだよ」
「ならば、ハイタッチだ。イェーイ!」
「イェーイ! ガハハハハ」
「二人とも、そろそろ話を聞いておくれよ」
「済まなかった、アレックス。つい気分が上がってな。続けてくれ」
「今朝のニュースで流れていた情報なんだが、
この近くにダルトム刑務所ってあるだろ?
どうも、そこの囚人の一人が脱獄したらしいんだ。
しかも、奴はまだ捕まっていないんだと。
ここ近辺のどこかに潜んでいるかもしれないと思うと、少し怖くてね」
「アレックス、心配のしすぎだ。俺らは正義のミシシッピ川警備隊だぞ。
そんな不届き者がもし目の前に現れようと、拳で一発さ」
「だと、いいけどね」
「難しい顔をするのはやめて、明るくいこうぜ!」
「そうするか。悩んでいても仕方がないな」
「いい心構えだ。俺たちは陽気でなくっちゃ!」
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