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鶴と話し合い
「では、鵫。そこにお座り。ロワマはこっちに」
私は見た目貴族の屋敷の一室に入室し、鶴に着席を促した。
「まず話を聞いてくださいね。鵫、意見は後で聞きますから」
それから私は説明を始めた。
「わたくし、鵫が能無しと言ったので鵫には私に劣らない能力があるのかしら?っと思ったのよ。それにこの世界は特別な能力が無いと〜って言ったわよね。だからこそ貴方にも何かあるのかと思ったけどなさそうね。
それに、鵫は、私を主にしていい気持ちにならないからやめた方がいいと思った。だからまだ任命しなかっのですわ。フラーヌは、宣言してたけど鵫は?どうなのかしら。」
「あっ、発言すること、許しを与える。」
しばらく鵫は私を睨むようにしながら黙っていた。
「わたくしは、わたくしは、、能力が無いわけではないっ。」
それだけ言うと黙ってしまった。しかし、その瞳になどうにもならないものを見るような悲しい気持ちがうっすらと浮かんでいた。
きっと何故か分からないが睨んでた時必死に出さないようにしたと思われる。
「つまり何が言いたいのかしら?ロワマわかる?」
そう、問うとロワマが困ったように目を伏せ、実はと言い出した。
「実は、鵫は子供の時に親が、狩られて死んでしまったのです。その…」
「 ロウマッ!其れは口にするなっ。」
一体どういうことなのでしょう。
「鵫、説明して下さる?」
「お、お主様っ?!」
「其方っ?!」
ロウマと鵫の声がかぶった。それにしても鵫の言葉を直さなければ側仕えとして…
「はぁ…。鵫、、言葉遣いを直さねばなりませんね。」
「わたくしは、きちんとした言葉遣いは出来ます。主に対しては。」
「つまり、私が主として認められないという事ね?其れは、何故ですの?」
「俺は、鵫です。親は勿論ですが、鶴。その親鶴は、人間に打たれたのです。あの時の…」
そうだったのか。きっとショックで人間がトラウマになったのだろうな。
「それ以上話さなくて大丈夫です。結果を聞くのですけれども、貴方は私を主とする気はあるのかしら…無理をしなくても良いのですよ。」
鶴はしばらくの間俯いていたが、顔をあげて言った。
「主がお許しになってくれるなら。」
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