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「ねぇ、ママ。サンタさんって……パパなんだって!」
6歳になった娘が、ランドセルを下ろしながら興奮気味にそう言った。
クリスマスを来月に控えた11月。小学校でクラスメイトとサンタさんの話になったらしい。小学校低学年くらいになると、サンタさんがいると信じている子もいれば、サンタさんは親なんだよとリアリストな子もいる。夢と現実が交錯してその正体についての議論が繰り広げられる混沌としたお年頃だ。
娘のクラスでも本日その議論が繰り広げられたようで、あるクラスメイトが言った
「サンタさんってのは、お父さんなんだよ」
という発言に目を輝かせて帰宅してきた次第だ。
「ねぇ、パパ来てくれるかな?」
と、水揚げされた魚のように足をバタつかせながら言う娘に
「そうだね。いい子にしてたらきっときてくれるよ」
といつもの決まり文句を言う。
私は、半分自分に言い聞かせていたのかも知れない。私も……、私も来て欲しいよ。良いママでいるように頑張るから。
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