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だから、母を無理やり起こそうとして毛布を剥いだ。そして、私は驚いてしまった。
なんと、布団に寝ていたのは人間ではなくて動物のアルマジロであった。
しかし、人間ではないけれどこのアルマジロの顔はどことなく母に似ていた。
つまり、これは『母マジロ』であった。
彼女は本当に丸くなって寝ていたのだった。
そして、私はここが夢だということに気づいた。
流石に3回もこの世界を見せられたら、すぐに勘づくというものだ。
母マジロが起きた。
だけど、活発的ではなかった。
彼女はしきりに私の手を掴もうとして甘えてくる。前の夢では金棒だったのが嘘みたいであった。
さて、私は困ってしまった。
一体、アルマジロは何を食べるのであろうか。たぶん、私が作った目玉焼きは食べてくれない。
仕方がないので母マジロを手から退かしてリンゴを剥くことにした。
再び台所に行きリンゴを手にする。
最初の頃はリンゴの皮むきに苦戦して大変だったことを思い出す。そこから考えれば、今は手慣れたものであった。
さっき、私は時間に余裕がないと言った。しかし、それは母の面倒も含めた時間である。
なので、いつも通りの朝ではあった。
まぁ、母がアルマジロになっていたのは予想外だったが大人になった私は母の面倒を見るのも仕事の内であった。
切ったリンゴを皿に乗せて母マジロの元へ戻ってみたら、彼女はまた毛布に包まっていた。
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