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「……のとおり、『エターナル・ラビリンス』に取り組む姿勢は極めて積極的であり、周辺にも非常に良い影響を与えています。
対面で会話の際、親しい相手に対してはやや口調が砕けるものの、ゲーム内では一貫して紳士的な口調を崩さず、また不慣れなプレイヤーに対しては粘り強く指導するなど……」
まさかこんなことになるとは、半年前のコウキは思いもしなかった。
ブラック企業から外資系の超ホワイト企業に引き抜かれ、元先輩のリアルの姿やゲームに取り組む姿勢などを逐一報告するなんて。
現在作成している報告書の送り先は、かの石油王擁する私設ゲームメーカーだ。
例の、先輩が知り合ったというヘタッピナイトが石油王の娘だったばっかりに。
また自分が、先輩唯一の親しいと呼べる人間だったばっかりに。
先輩のリアルとゲーム内を監視する大役を仰せつかったのである。
わりといい装備の蛮族とは、コウキのことだ。
この先、先輩と石油王の娘がゲーム内で友情を育んでいったらどうなるのか。
それが楽しみなような恐ろしいような気がする蛮族であった。
〈完〉
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