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「ねぇ 一姉?」
『なに?』
「一姉ってさぁ何で喫茶店なんか始めたの?」
『どうしたのよ突然?』
「だってさぁ 一姉ぐらいの才能の持ち主だったら間違いなく一流大学や一流企業にだって行けたはずじゃん?なのになんでわざわざ喫茶店なんか始めたのかなぁ?って……」
ううん・・・それは違うんだよいつか。私は別に大学で青春を謳歌したり、就職して贅沢をしたい、だなんて一度たりとも考えたことはないの。けどね、いつかがそんな風に私の事を心配してくれてたなんて、私はいつかと二三のお姉ちゃんでいれて本当に良かったって心の底からそう思うよ。
そして私がね、【この仕事を始めた理由】なんだけど・・・それはいつまでも、あなた達、いつかと二三が成長していく姿をこの目でずっと見ていたいからなの。
もしかしたら いつか・・・あなたからしてみれば、それは矛盾してるって思われるかもしれない。
だって私はあなたの幸せを願いながらも、あなたの大好きな哲雄くんと別れろって強要してるんだから・・・。
でも、これだけは分かってほしい。
この先、あなたの大好きな哲雄くんが危険な目に晒されて、あなたが悲しみに暮れてしまうくらいなら・・・一層の事、あなたと哲雄君の間柄なんて無かったことにした方が逆に幸せなんじゃないかって・・・そう考えてしまうほど私はあなたを愛しているの。
いつか、二三、こんな姉バカなお姉ちゃんで本当にごめんね・・・。
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