プロローグ

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プロローグ

 私は、いつもの様に拠点としている小惑星帯(アステロイドベルト)23バンチコロニーの自宅を出発した。妻と生き別れ、未だ2歳の幼い息子はベビーシッターロボットに預けることになるが、仕事の性質上それは仕方がない事だった  我々、小惑星探検家(Asteroid Explorer)(AE)の任務は、小惑星帯(アステロイドベルト)に存在する数百万の小惑星から資源を発掘することにあった。  ここ一年『キュベレー』系小惑星の探査を進めていたが、その日は人類未踏の小惑星『フレイヤ』を目指した。  直径180キロの『フレイヤ』に接近して、三次元スキャナで惑星の地質を確認する。  開始して数分だった。『フレイヤ』の地表下の画像に、何かの物体が映った。 「……これは……人型の物体が……。人工物か……?」  直ぐに探査船を着陸させると、MMU(有人機動ユニット)を装着し、EVA(船外活動)に入った。MMUのスラスターを吹かしながら、巨大なクレパスの割れ目から地下に侵入していく。約100メートルを降下するとMMUのライトに照らされたが見えて来た。私はその姿に目を見開いた。 「これは人型ロボットか……?」
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