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目を開けるとコックピットは激しい警報音に包まれていた。モニターには縮退炉#1が消滅した表示が出ている。機動兵器の現在位置の表示は……?
「天測での推測位置では小惑星帯だって? 凄い、一瞬でここまで跳躍したのか……」
少し離れて『レダ』が見える。地球への衝突は回避出来た様だ。
「ジュン、見て。時間がおかしい」
母の声に時間表示を見るとエラーになっている。天測カメラの情報から各惑星の位置を確認し、現在の時間を推測する計算を走らせる。すると……。
「えっ? 3万年前……。時間も遡ったのか……?」
衝撃を受けた僕はモニターに現れたもう一つの警報に目を見開いた。
「小惑星との衝突コースに……。相対速度は秒速150キロだって? 縮退炉#2全力運転。重力制御減速を!」
「ジュン、あの小惑星は……『フレイヤ』よ」
「えっ? 『フレイヤ』って? 3万年前の未知の機体が発見された……。まさか、その機体って……?」
モニターに映る『フレイヤ』が物凄い速度で近づいて来る。減速は間に合いそうにない。
次の瞬間、僕達の機動兵器は『フレイヤ』に衝突した。
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