蘇った記憶、空間跳躍

3/3
前へ
/16ページ
次へ
ーーー  目を開けるとコックピットは激しい警報音に包まれていた。モニターには縮退炉#1が消滅した表示が出ている。機動兵器(パワードスーツ)の現在位置の表示は……? 「天測での推測位置では小惑星帯(アステロイドベルト)だって? 凄い、一瞬でここまで跳躍(リープ)したのか……」  少し離れて『レダ』が見える。地球への衝突は回避出来た様だ。 「ジュン、見て。時間がおかしい」  母の声に時間表示を見るとエラーになっている。天測カメラの情報から各惑星の位置を確認し、現在の時間を推測する計算を走らせる。すると……。 「えっ? 3万年前……。時間も遡ったのか……?」  衝撃を受けた僕はモニターに現れたもう一つの警報に目を見開いた。 「小惑星との衝突コースに……。相対速度は秒速150キロだって? 縮退炉#2全力運転。重力制御減速を!」 「ジュン、あの小惑星は……『フレイヤ』よ」 「えっ? 『フレイヤ』って? 3万年前の未知の機体が発見された……。まさか、その機体って……?」  モニターに映る『フレイヤ』が物凄い速度で近づいて来る。減速は間に合いそうにない。  次の瞬間、僕達の機動兵器(パワードスーツ)は『フレイヤ』に衝突した。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加