春香の野望

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 しまった〜!教室ならともかく、こんなところでダブり?とか聞いちゃった、ヤバい怒ってどっか行っちゃうかも 「高校生じゃないんだからダブリとかは言わないんじゃないかな」  あ、怒ってない? 「じ、じゃあやっぱり先輩なんですね2回生ですか?」 「…4回生」 「4回生?!」  4回生って事は三つも年上、それなら大人だし色々大目に見てくれるよね?これは是非友達にならなくては、そうだ餌付け作戦だ。 「そうだ先輩、肉まん半分こしません?」 「…なんで?」 「い、いつも後ろの方で一人ぼっちで寂しそうだったから」 「はぁ?」  あっ、マズい余計な事言った、早く肉まんを半分こしないと…「熱っ、これ半分こ無理だわ」それに紙が付いてないのをあげるのも…「そうだ…はふはふ」 「お、おぃ?」 「ん、ゴホッゴホッ」  やっぱり熱いー!でも友達を作るためだ、我慢我慢…モグモグモグ 「お、おい大丈夫か?」 「先輩、人が食べてるときにタバコ吸わないで下さい」 よし半分食べた、あとはこれを先輩に渡せば…「はい、半分こ」 「…人はそれを食べかけと言う」  た、食べかけ?餌付け作戦失敗?そんなバカな近所のワンコ達はコレで仲良くなったのに。 「え?食べ物粗末にするとバチが当たりますよ?」  よし!受け取ってもらった、よかったー。 「私、桜井(さくらい)春香(はるか)って言います、よろしくね先輩」 「俺は、(いぬい)亮太(りょうた)社会心理学科の4回生だ」  社会心理学科って何だっけ?ひょっとしてあの授業めっちゃ難しい授業なのかしら 「先輩、何で単位落としたんですか?」 「テストの日に風邪引いてたんだよ、追試は単に忘れてました」  あー風邪かー 「先輩、落としたのひとつだけですか?」 「そーだよひとつでも多いくらいだよ」  あ、また余計な事を、ホラ肉まんも持ったままだし、ひょっとして肉まん嫌いだったかな? 「先輩、肉まん食べないんですか、冷めますよ?」  半分の肉まんを持ったままじーっとしてる、このままでは餌付け作戦が〜、頑張って半分食べたのに〜、え?私が半分食べた? ということは? 「あっ!」 「ん?」 「何でもないです…」  先輩は気付いてないみたいだしスルーしとこう 「ご馳走さん、じゃあな」 「先輩、買い物ですか?」 「バイトだよ、このコンビニでバイトしてんの」 「え?私毎日買い物してるけど見た事無いですよ」 「夜勤だよ」 「え?明日授業ありますよ」 「知ってるよ大丈夫だよ」  私余計な言葉が多いな、でも流石というか三つも歳上なだけあって落ち着いてるなぁ。 「じ、じゃあ明日授業で、さ、さよなら」 「あ、ああ、さよなら」 よし、つかみはオーケー、明日の授業で隣に座ればこれはもう友達決定ね!  
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