ダンジョンの掃除担当

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 ダンジョンの掃除が俺の仕事だ。  魔王様は綺麗好き。勇者たちが放置したゴミで汚くなることを嫌っている。  今日の掃除場所は、ダンジョン入り口。玄関は家の顔という。ダンジョン入り口はダンジョンそのものを表す部分というわけだ。コウモリの糞ひとつも許されない。  俺は羽を広げて、ダンジョンの入り口まで飛んできて驚いた。 「勇者一行の奴ら、棺桶を引きずったな。床が傷ついてやがる」  入り口を張っている下級魔物に倒されたやつがいるのだろう。棺桶に入ってしまった仲間――忌々しい言葉だが――それを近くの村の協会に持って行き、復活させに引き返したようだ。 「まったく、棺桶は引きずらない、持って運ぶように」  俺は魔法でダンジョンの壁に、注意書きを刻んでおいた。  後になって、勇者一行が考古学者を連れてきたんだ。なにをしにきたのかと思ったら、壁の注意書きを解読しているらしい。 「ダンジョン攻略の鍵かもしれない」  入り口にいた魔物が考古学者を後ろから倒して、結局勇者のやつ、考古学者の入った棺桶を引きずって帰りやがった。全く、マナーのなってない奴らだ。
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