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――そうしてお兄さんは色んなあやとりを僕に優しく教えてくれた。
「僕これが一番好き!」
「へー、四段はしごかぁ。どうして?」
「はしごってカッコいいから!」
そう言って僕ははしご車のフィギュアを掲げた。
「あはは、確かに同じ形してるね。それに色も」
「うん! 正義の朱色だよ!」
その勢いで僕はヒーローごっこに没頭していた。どれくらいそうしていたかは分からないけれど、気づくとお兄さんは座ったまま静かに寝息を立てていた。幸せそうな寝顔を浮かべるお兄さんに寄り添うと、僕は身体を預け同じように目を瞑った――。
――これは僕の“幸せな”思い出。
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