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青一色の空間に走る一筋の光――、いやこれは光というより線。
そう、線が走っていたのだ。
上下左右縦横無尽に、軌跡に尾を引きながら走っている。
その線は僕が目で追うには少しだけ速く動いていたのだが、どういう理由か視界から出ていかない。
僕の視界から出そうになるとその瞬間緩やかな弧を描きながらUターンし僕の視界に留まり続けている。
どうやら、お兄さんにとってそうではないようで、線に目を回している。
その線は僕にとってあまりに見慣れた朱い色をしていた。
やがて線は尾を引くのをやめて形を取り始めた。
その輪郭は誰がどう見ても――――“はしご車”のそれだった。
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