第1章1節 はしご車

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第1章1節 はしご車

僕の心にはいつも朱い色のヒーローがいた。 悪しきを挫き弱きを助ける正義の味方。 そんなテレビの中のはしご車(ヒーロー)に僕は物心ついた頃から憧れていた。 僕は家にいる時間のほとんどを彼が主役を務めるアニメを見るか、彼のフィギュアでごっこ遊びをして過ごしてきた。 どんな辛いことがあっても僕の心は彼が救ってくれた。 「世界中どこにでも届けてみせる、私の(はしご)を!」 それが平和のために疾走(はし)英雄(ヒーロー)の決め台詞だった。
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