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「俺、学校の3階のトイレでお化けに出会ったんだ」
友人が俺にそう話した。
「俺はその日、いつも閉まっているはずの隅のトイレが
なぜか開いていたからそこに入った。
そうしたら声が聞こえた。
「「私花子。赤い紙が欲しい?青い紙ほしい?」って。
俺は悩んだ。
なんか、「赤」を選んでも「青」を選んでも
嫌な展開にしかならない気がした。
俺が黙っていると、不意に俺の目の前に
黒いモヤモヤが出てきて、それは人型になった。
そしてはっきり見えた。
真っ青な顔をしたおかっぱの女が虚ろな顔で俺を見ているのを。
俺は急いでトイレから出た。その時に甲高い悲鳴が聞こえたけど、
俺はそのまま走って廊下まで出た」
友人はそこで言葉を切って、目を閉じ息を吸った。
そして目を開いて言った。
「なあ、怖い話だろう?」
俺は頷く。
「ああ、怖い話だ」
「俺、明日学校に行くのが怖い」
「そうだな、もっと怖い目にあうだろうからな」
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