真夜中の訪問者

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 ダニエルはすぐ出かける準備をした。あの老夫に会うために、連絡先など分かるはずもないので老婦人を殺したあの家に向かった。  片道1時間程かかりようやく辿り着いた。だが、あの家はすでに空き家になっていた。「あぁ...」思わず声が出てしまった。老夫と会うための手がかりはこれしか無かったのに。ダニエルは絶望し、自分の家に帰った。  家に着いた時点で、時刻は11時30分。 (俺が死ぬまで残り30分)ダニエルは自分の人生のことを考えていた。妻のことや、自分が殺した老婦人のことが、走馬灯のように駆け巡る。そして0時丁度に殺しにくる。あの老夫が。  そして時刻は11時58分。 (あぁ...死にたくない。死ぬときはどれ程痛いのだろうか。死んだら魂はどこに行くのだろう?) 11時59分。  (死にたくない...。死にたくたい。死にたくない!老夫はどこからくるんだ⁇殺されないためにはどうすれば良い⁉︎)  次の瞬間、ダニエルは閃いた。「こうすればよかったのか...」と呟き、窓から身を乗り出す。そして...倒れるように暗闇の中へ落ちていった。  この時の時刻は午前0時丁度であった。  この一部始終を見ていた黒いスーツの男は納得したように頷いて「自分を殺したのは自分自身だったということか...。リストに載らないわけだ。」と呟いた。
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