エピローグⅢ ~さすがに終わります

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 ストレートに言われ、図星を突かれた大地は取り繕うことができない。なのでみっともないと思いながらも正直に言った。 「……妬ける」 芳野はさらに手を出していた水羊羹をぽとりと落とした。 「何を焼くんだ?」 「だって俺は専門的な星の話なんかできねえし、お前らが揃って天文学の話だの数式だの論文の感想だのって話し始めたら全然わけわかんねえじゃん」 「専門? ごく日常的な会話しかした覚えはないぞ」 「普通は望遠鏡のレンズのメーカーについて一時間も語らねえよ!」  鈍い芳野に嫉妬心を解説するのはなかなかの難題である。  しかも言いながら狭量な自分が恥ずかしくなってくる。だが言いかけた以上、大地は隠さず話した。 「それに、大学の話とか……大学での芳野のことは俺の知らねえことばっかだし」 「俺も役場での大地の姿は知らないが」 「そうだけどよ! 大学時代の芳野を知ってる佐倉君が羨ましくなっちまったんだよ。でもあの子がいい子だってのはわかってる。遊びに来ても全然かまわねえんだ。ただちょっと妬けるって話で」  芳野は残りの水羊羹を食べ終わり、大地を見上げた。
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