またまたの後書き

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 さて。  私には学生の頃、気の合う友達がいました。マイペースな子で授業に興味はなさそうなのに、勉強はよくできて、話すと返答が絶妙に面白いのです。彼女のリアクション見たさに学校に行っていたぐらい大好きでした。  私は史上最高にウマの合う友達に出会った喜びで全く気になりませんでしたが、彼女は個性が強過ぎたらしく、集団に入るとどことなく浮いていました。空気になじまないというか、言いにくいことをそのまま言ってしまったりとか。  でも彼女は周囲の(あれ?)って視線など、ものともせずに天真爛漫でした。  その友達とは何年も仲良く遊んでいたけれど、社会人になってからは疎遠になってしまいました。学校以上に会社組織にはなじめなかったみたいで、それがなぜなのか彼女はわからず、そのたびにぶつかっては傷つくみたいな繰り返しだったのです。  そのうちに連絡が取れなくなって、ずっと気になったまま何年もすぎて、数年前に突然、彼女のブログを見つけました。  なんと実名のままで写真も入れていたから間違いなくその子でした。  こんなやり方で本音を晒したら周囲の人に筒抜けではないかと冷や冷やするほどストレートな文章でした。  でも彼女の頭の良さや、小気味よい表現は相変わらずでした。  そしてやっぱり日々、小さな衝突や世間の空気というものの理解の難しさと格闘しているようでした。
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