267人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
「おめでとう」
大地は即座に答えた。正直どうでもいい。
それがダダ洩れになるほど余裕がなかった。こうしている間も芳野が遠くにいってしまう気がして気持ちが波立っている。
しかしそんな大地の焦りが通じるわけもなく、トキオは馬鹿でかい声で抗議した。
「まだなんも言ってねえじゃん! もうちょっと親友の恋を心配しろよ」
「言わなくたってわかっから。だって嬉しそうじゃん、お前」
向こう側でうはぁ!という驚きの声があがり、周りがワーッと盛り上がった。どうやらトキオは野球部連中と未だに飲んでいるようだ。
最初のコメントを投稿しよう!