野良猫はいつもなまいき

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 言いながら大地の唇はもう芳野の頬すれすれまできていた。芳野はぎょっとして体を突っ張らせる。 「待て! なんでそうなる」 「愛情確認。さすがにそろそろ我慢すんの辛えし」 「俺はまだ具合が悪いんだ、他にいくらでも確認方法はある!」 「ねえよ」 大地は額をつけた。それだけで芳野は魔法がかかったように動けなかった。 「少しぐらい安心させろ」  笑った後、急に真顔になった。  大地の眼差しが芳野を捕まえる。  昨夜と同じに頭の中が真っ白になった。物音も時間も遠ざかって、大地の気配だけで世界がいっぱいになる。傾いた顔が寄せられ、唇が小さく呟いた。  凛。  好きだ。  大地のかすれ声に鼓動が跳ね上がった。  ________あ。  その瞬間、もう唇が重なっていた。芳野は覚束ない指先で、ぎゅっと大地にしがみついた。
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