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「なんだこりゃ」
ずしっと重い。芳野は自慢げに微笑んだ。この土産はテッパンだろうという、自信に漲った表情である。
「羊羹だ」
「なんでだ」
すかさず大地が素朴な疑問をぶつける。しかし芳野はそのパッとしないリアクションに不服そうに言い返した。
「なんでって、こんな便利なものがあるか? 日持ちはするし暑さで溶けることもない。寒くても固くならないし、甘いし、片手で齧りながら観測もできる。まさに完全食だ。遠慮するな、一緒に食べよう」
驚くべきことに同じものがもう一包みあり、芳野はさっそく包み紙をバリバリ破ると、ビニールを引きちぎってがぶりとかみついた。口の形が四角になるほど豪快に食らいついている。
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