はじまりはじまり

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「どう考えても? そりゃこっちの台詞だ!」  大地はがばと起き上がった。すかさず入れ替わって芳野を下にする。一瞬で立場は逆転した。今度は大地が馬乗りになり、芳野の手首つかんでベッドに押し付けた。 「お前、今までの流れで自分がされる方だってわかってねえの?」 「そっちこそわかってるのか。こういった場合の行為を俺もそれなりに調べた。戦慄の内容だったが、同性であれば他の臓器で代用するのは致し方ない。脳内でシュミレーションした結果、どう考えてもするのは俺だ。  いいか、物理的に考えるんだ。ここに棒状の個体があるとする。仮に個体Aだ」 「ああ」 つまりアレだろ、と大地は心の中で突っ込む。芳野は数学の問題でも解くように明晰に続けた。 「それを一定の容積を持つ筒型容器、つまり容器Bに挿入する」 AはアレでBはソレだ。大地は完璧な理解をみせる。 「その場合、Aの形状がBより大きければ挿入は不可、もしくは困難を極める。しかし容器Bに対してAが小さければ確実にスムーズな合体を望める。つまりAは小さいほうが適しており、Bは大きい方が担当すべきなんだ」 「いいのか、芳野……そんなに自分のことを小さい小さい言って」 「お互いの体格差から導きだされる順当な推測だ。どうだ、理解したか」 「しねえよ!!」 大地の怒号に芳野はびっくりして目を見開いた。
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