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大地は返答に詰まった。もちろんいったん始まったら途中で止まるわけがない。だがこれほど滾っているものを寸止めとはあまりにむごい。
大地は芳野の毛布を掴んで思い切り引っ張った。
「やっ……!」
どうして芳野はすぐに毛布をぐるぐるに身にまとうのか。前世はミノムシかそれともファラオなのか。
非力な芳野はあっけなくベッドから落ち、毛布の終わり部分を死守しながら、涙目で大地を見上げた。これはではまるで悪代官の仕業だ。
大地はすっかりバツが悪くなった。
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