気まぐれろまん

きらきらろまん

　
　それが。
　なんと！　ここに、いた！
　ありがとうセンパイ！！

　翌日さっそく大地は勝谷に直撃した。一気に事情を告白して頭を下げたが、勝谷は歯切れが悪かった。

「いや……悪いけど俺はしてねーんだ。失恋した方だからさ」

　言われて我に返った。そうだ、先輩は駄目な方だった！（失礼）
　打ち明けた挙句、ただ勝谷の傷をえぐって終わるという失態に大地は首を垂れた。
　しかし勝谷は無類の世話好きである。可愛い後輩が真剣に困っているのを知ると、このナイスガイは彼の知る唯一のテクニシャンに電話をつないでくれたのだ。

「あ、タケル？　いきなりで何だけどさ、俺の後輩に教えてやって欲しいことがあんだよ。今、智いる？　できれば聞かれねえ方がいいなあ。あいつ猛烈に照れそうだから」

よほど親しい間柄らしく、勝谷は話しながら相好を崩した。出てきた名前で先日の話題の相手だと察しがついた大地は耳をそばだてる。

「お前、あっちの方すごいんだったよな。違うって、冷やかしてんじゃねーよ。真面目な話、マジで！
　こっちにさ、初めてそーゆー感じになりそうなのがいるんだけど、やり方がよくわかんねえんだって。うん、そう。そこんとこ、お前のやり方でいいから教えてやってくんないかな」

　あっちの方がすごい人……。大地は正座で待機しながら想像をめぐらせた。そのまま勝谷に携帯を渡され、いきなりタケルと直接の話になる。